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社内の8割が生成AIを積極活用|社内浸透の鍵とは

【導入事例】株式会社トーコン

株式会社トーコンは、企業の人材と集客を中心とした課題解決を行い、求人広告や組織コンサルティング、SNSやGoogleマップ検索最適化などのPR支援など幅広いサービスを提供しています。
2025年2月にナレフルチャットを導入し、顧客情報の収集や広告分析をはじめとした業務効率化を推進。現在では、社内全体で生成AIの活用が進み、社員のリテラシー向上にも寄与しています。
今回は、営業企画を担当する門田さまに、ナレフルチャット導入の背景やその効果について伺いました。

株式会社トーコン

営業企画担当

門田さま

導入企業

株式会社トーコン

東京都中央区日本橋蛎殻町1-33-11 味岡蛎殻町ビル4階

https://tokon.co.jp/

■導入企業と生成AIの利用状況

── はじめに株式会社トーコンについて教えてください

弊社は創業当初から採用支援を主軸とし、求人広告を取り扱ってきました。

現在は、人材サービス業を主として求人広告の掲載に加え、中小企業のお客様を対象にした組織コンサルティングや企業や店舗のPR支援など、採用や販促活動の面で、お客様に幅広いソリューションを提供しています。

── 門田さまの主な担当業務について教えてください

私自身は営業企画を担当しており、主にマーケティング、インサイドセールス、そして社内の生産性向上の推進を行っています。部署としては「事業支援」にあたり、自社の事業を裏から支える役割を担っています。経営企画的な業績分析を行うチームや、クライアントの集客を目的としたマーケティング、インサイドセールスのほか、社内システムの管理や運用も担当しています。幅広い業務を横断的に見ており、全体的な業務効率化や仕組みづくりにも取り組んでいます。

── ナレフルチャット導入前も生成AIの業務活用は行っていましたか?

ナレフルチャット導入前は、GPT-4のアカウントを4つ、Claudeを1つ契約し、生成AIを業務に活用していました。また、社内にはChatGPTの認定資格を持つメンバーが在籍しており、そのメンバーを中心にAIの研修や勉強会を定期的に実施していました。

しかし、社内のAI活用状況を把握しづらく、誰がどの程度活用しているのかが不透明という課題がありました。さらに、プロンプトの書き方を研修で学んでも、日々の業務が忙しい中で新しい技術を実践に取り入れるのが後回しになる社員も多く、AI活用が社内で十分に浸透しているとは言い難い状況でした。

それでも、2023年頃から代表の主導で全社員参加の研修や座談会を実施するなど、早い段階からAIの浸透を進めてきました。代表から「こういうAIの活用がしたい」というビジョンをまとめた「AI活用マップ」の共有もあり、ChatGPTの認定資格保有者を含む3名でAI活用プランの具体策を検討する取り組みも行っていました。

── 生成AIの導入や業務活用を検討することになった背景を教えてください

私たちは、生成AIが近い将来スマートフォンやインターネットと同じように、仕事や日常生活に欠かせない存在になると考えています。

そのため、社員全員が時代の流れに遅れないよう、早期に生成AIを活用する基盤を整える必要性を感じました。ガラケーからスマートフォンへの移行のように、次の時代の「当たり前」に備えるため、社内全体で早い段階から生成AIの導入に取り組み始めました。

■ナレフルチャット導入の背景

── 「ナレフルチャット」導入以前から他ツールで生成AIを導入していたとのことですが、ナレフルチャットを知ったきっかけは何だったのでしょうか?

お取引先様からの紹介がきっかけでナレフルチャットを知りました。

お客様から「こういうAIのツールがある」との話を聞き、営業を通じてご提案いただきました。ちょうどその頃、社内でよく利用する業務ツールにAIを組み込めないかと検討していたタイミングで、従来のGPT-4アカウント活用では課題があるため「全社員が使いやすいAIツール」を探していました。

他社ツールからの移行を検討していた矢先のご提案で、タイミングが非常に良かったです。

──数ある生成AIツールの中からナレフルチャットを選んだ理由や決め手を教えてください

ナレフルチャットを選んだ一番の理由は、アカウント数に制限がないことです。

全社員に1人1アカウントを持たせたいという方針があったため、他社ツールの「1アカウントごとの課金形式」ではコスト面の負担が大きく、導入が難しかったのが背景にあります。

その点、ナレフルチャットはアカウント数が無制限で、コストを抑えながら全社員に提供できる仕組みが非常に魅力的でした。

さらに、金額面でも他と比較して導入のハードルが低く、予算内に収まったことも大きな決め手でした。特に、社員全員分を確保する際のコストが抑えられる点が、他の生成AIツールにはない大きな魅力でした。

■ナレフルチャット導入後の効果

──ナレフルチャットの導入効果を教えてください

月1回、会社の全体会議があるのですが、ナレフルチャット導入を発表した際、大きな反響がありました。トライアルを担当したメンバーから正式導入の要望があり、スムーズな導入に多くの社員が喜んでいました。

また、週次で行う全社員向けのオンラインミーティングでも、ナレフルチャットを活用した事例や時短の成果が共有されるようになり、知見の共有がスムーズになりました。今では「困ったときはナレフルに聞いてみる」という考え方が社内全体で浸透しており、営業活動の支援や様々な職種での業務効率化が日常的に進んでいます。

現在は、クレジット数が不足するほどツールが活用されており、社員1人あたり1日50クレジット使用に制限を設けていますが、それでも需要が追いつかないなどの嬉しい悲鳴を上げるほど、日常業務で欠かせない存在になっています。

──現在導入いただいているナレフルチャットは、社員全員に提供していますか?

全社員に提供しています。弊社の従業員は231名(※2025年3月取材時点)ですが、約8割の従業員が活用しています。この8割はクレジットがなくなるほど使っている8割で、残り2割の社員も全く使用していないわけではなく、クレジットを使い切らない程度に使用している2割です。大半の社員が日々の業務で積極的に使用している状況です。

──従業員へのAIツール浸透に関して苦労はありましたか?

現在は社員全員にAI活用が浸透してきているので、ナレフルチャット自体の利用促進はスムーズに進んだのですが、その前段階のそもそものAI活用への意識付けが大変でした。

研修を行い、GPT-4の活用方法を提示しても、目の前の業務に追われて取り組めない、新しいことへの抵抗感でなかなか一歩を踏み出せないといった社員も多かったです。

せっかく作成したプロンプトや活用方法が忘れ去られてしまうこともあり、AIが「当たり前」に活用される状況がなかなか実現しませんでした。
こうした課題を改善するため、当時は多くの試行錯誤を重ねていました。

「またAIの話か」と呆れられるほどの継続的な取り組みが、今の状況を作っていると感じています。

──導入前と比較して、従業員の生成AIリテラシーに変化を感じていますか?

社員の生成AIリテラシーの向上は日々感じていて、全体的にAIを日常的に活用する姿が見られるようになりました。特に顕著な効果を感じたのは、営業活動における事前準備や分析です。

例えば、お客様に提案を行う際、AIを活用して顧客情報や広告分析を短時間で正確に取得できるようになりました。従業員がAIを活用し、改善案をもらった上で、それを自分の言葉で咀嚼してお客様に伝える流れが定着してきています。

人間が時間をかけて調べるのではなく、「まずAIに尋ねる」という考え方が浸透してきた点は、リテラシーの向上の具体的な成果だと感じています。

一方で、キャリアが長い社員の中には、自分の経験や勘を重視する方もいるので、AIを活用する選択肢が自然と浮かばないケースがあるなど、年代やキャリアによる差は見られるので、ここは今後改善していけたらいいなと思います。

■今後の展望

──事業展開やビジョンにおいて、ナレフルチャットのような生成AIツールの可能性や期待する点を教えてください

定量的な分析や数値データの処理はAIに任せ、人が担うべき定性的な役割との住み分けを進めていきたいと考えています。AIは効率的にデータを分析し、短期的な解決策や中長期的な施策を提示できますが、人間ならではの共感や意思決定に伴う相談相手としての役割は、AIでは代替できません。

例えば、経営者が重要な意思決定をするとき、AIからの正確なデータや提案は大きな助けになりますが、最終的な決断には人としての感覚や共感が必要です。

そのため、AIの得意分野を最大限活用しつつ、人だからこそできる部分にフォーカスすることで、より良いサービス提供を目指していきたいと考えています。

──今後の事業展開、展望があれば教えてください

弊社は創業以来、採用支援を中心に長年の歩みを続けてきましたが、業界の変化に伴い、いよいよ自社の力で新たな成長を目指す時期に来ていると感じています。

この変化の背景には、ユーザーのニーズや商材の変化、そしてAI技術の浸透があります。

人材ビジネス市場、集客・販促支援市場ではAIによるデータ集計や分析が当たり前となり、お客様が求める価値も次第に変わってきています。その中で重要なのは、単なる数字を提供するだけではなく、お客様の悩みに深く寄り添い、伴走できる存在になることです。

今後は、顧客との接点をさらに強化し、新しい時代に合わせたサービスやソリューションの提供に力を注いでいきたいと考えています。

────同じ分野の企業や組織に、ナレフルチャットを勧めるとしたら、どんな部分を特に推したいとお考えですか?

ナレフルチャットの大きな魅力は、アカウント数に制約がなく、AI初心者でも利用しやすい点です。他のツールでは「1アカウントいくら」という課金形式が一般的ですが、AI初心者が多い企業では、全員にアカウントを付与するコスト面でのハードルが高くなりがちです。

その点、ナレフルチャットは手軽に全社員が使える環境を整えやすく、AI活用をスタートさせる第一歩に最適です。また、これからAIの活用を推進しようとする企業や、初心者が多い職場で特におすすめです。

ナレフルチャットを足がかりに、徐々にステップアップしてより高機能なAIツールを導入する流れは、成長企業にとっても大切なプロセスになると思います。

──最後に、生成AIを活用する重要性について感じていることや、他社に向けて伝えたいメッセージがあればお願いします

生成AIは、今後インターネットやスマートフォンと同じように「当たり前に使われるもの」になると考えています。

現状、AIを取り入れることで「進んでいる企業」と評価されるかもしれませんが、数年後にはそれが普通の基準となり、AI活用できない企業や社員は遅れていると見なされる可能性があります。特に採用市場では、AIを活用していない企業は新卒や中途採用で選ばれにくくなると感じています。

また、3年後に急いでAI人材を確保しようとしても、競争が激化しており遅れを取り戻すのは難しいでと思います。そのため、今のうちにAIを活用する文化や基盤を整え、自社で人材を育成していくことが非常に重要です。

私たちは中小企業の経営者と関わることが多いのですが、模範となるような取り組みを進め、優れた事例を蓄積することで、同じような企業が「真似したい」と思える影響力を持ちたいと考えています。

AI活用は単なる業務効率化にとどまらず、企業の成長や採用力の向上に直結する重要な要素です。

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