PLUS

生成AIコラム

一覧に戻る

ChatGPTの社内利用で業務効率化!利用例と導入・浸透のポイントを解説

はじめに

ChatGPTの社内利用は多くの企業で注目されている一方で、「ChatGPTを会社で使いたいけど、セキュリティが心配」「具体的にどんな業務で活用できるの?」このように悩む担当者も多いのではないでしょうか。ChatGPTは文章作成からデータ分析まで幅広い業務で活用できる一方で、機密情報の取り扱いや効果的な社内浸透には注意すべきポイントがあります。

本記事では以下の内容を中心に解説します。

  • ChatGPTの具体的な社内利用例
  • 導入時の注意点
  • 社内浸透を成功させるための取り組み
  • 企業向け生成AIサービスの選択肢

コスト面やセキュリティ面の課題を踏まえた導入のポイントも紹介しているため、生成AI導入を検討中の方はぜひ参考にしてください。

生成AIの社内利用をお考えの企業様へ
ナレフルチャットは月額4万円の固定料金で、社内の生成AI活用を支援するツールです。
セキュリティ対策や社内浸透まで、企業の生成AI導入をトータルサポートいたします。
企業のAI導入を検討している方は、こちらをご覧ください。

ChatGPTの社内利用例

ChatGPTは文章作成からデータ分析まで幅広い業務で活用できます。実際の企業で導入されている具体的な利用例として、以下のような活用シーンがあります。

  • メール文章作成
  • 翻訳、多言語化
  • 文章の要約、整理
  • プレゼン資料の作成
  • アイデアの壁打ち
  • CS・応募者対応
  • プログラムスクリプト生成
  • 議事録の作成
  • リーガルチェック補助
  • 社内FAQボット

それぞれの活用シーンでどのような効果が期待できるか、実際の入力例とともに詳しく説明していきます。

メール文章作成

ChatGPTでメールを作成することで、件名から本文まで、相手や状況に応じた適切な文章を瞬時に生成できるため、メール作成時間を大幅に短縮できます。

特に効果的なのは、謝罪メール、お礼メール、依頼メールといった定型的なメールです。

また、英語でのメール作成にも対応しており、海外とのやり取りが多い企業でも重宝されています。

▪️入出力例

入力内容商談後のお礼メールの作成依頼
出力内容そのまま使えるメール文面の出力

実際の活用では、生成された文章をベースに、具体的な状況や相手との関係性を踏まえた調整を行うことで、より自然で効果的なメールを作成できます。

翻訳、多言語化

ChatGPTで翻訳を行うことで、従来の翻訳ツールと比較して文脈を理解した自然な翻訳を得ることができ、ビジネス文書の多言語展開を効率的に進められます

プレゼン資料、契約書、マニュアルなど様々な文書の翻訳に活用でき、英語だけでなく中国語、韓国語、スペイン語など多数の言語に対応しています。専門用語の統一や業界特有の表現への対応も可能なのも、ビジネスで使用するには大きなメリットです。

▪️入出力例

入力内容契約書の英訳依頼
出力内容全文英訳と、各項目ごとに対応する英文の出力

ただし、法的文書や重要な契約書については、専門家による最終確認は必須です。

文章の要約、整理

ChatGPTで文章を要約することで、長文の会議資料や報告書を短時間で理解できるよう効果的な要約を作成できるため、業務効率化に大きく寄与します

数十ページの資料でも数行から数段落程度に要点を整理でき、箇条書き形式や段落形式など、用途に応じた形式での出力も可能です。

▪️入出力例

入力内容HPの文章要約依頼
出力内容500文字での内容要約の出力

より詳しい文章要約の活用方法については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ご参照ください。

参考記事:ChatGPTで要約を効率化!初心者向け完全マニュアル【今すぐ使えるプロンプト付き】

プレゼン資料の作成

ChatGPTでは、プレゼン資料の構成案作成やスライド原稿を短時間で作成できます。複雑な技術内容を分かりやすく説明するためのベースの作成に有用です。

専門用語の説明や図表の配置提案、想定される質問への回答準備まで、全体的なサポートを得ることが出来ます。

▪️入出力例

入力内容プレゼン資料の構成作成の依頼
出力内容スライドごとの構成の出力

ターゲット層に応じた内容調整として、経営陣向け、現場担当者向け、取引先向けなど、聞き手のレベルに合わせた資料の構成やスライド原稿も作成することが可能です。

アイデアの壁打ち

ChatGPTで新商品企画やマーケティング戦略の検討において優秀な壁打ち相手として機能します。

一人では思いつかない視点や業界の異なるアプローチを提案してくれるため、発想の幅を大きく広げられます。

▪️入出力例

入力内容生成AIの社内利用についてのアイデアの壁打ち依頼
出力内容4つの観点からのフィードバックの出力

アイデア出しの際は、制約条件や目標を明確に伝えることで、より実用的な提案を得ることができます。

CS・応募者対応

ChatGPTでCS(カスタマーサクセス)・応募者対応を行うことで、定型的な対応業務を効率化でき、よくある質問への回答作成や応募者への返信メールを瞬時に生成できます。

24時間対応や緊急時の初期対応にも活用できます。

▪️入出力例

入力内容CS対応の依頼
出力内容顧客への返答の出力

ただし、個別性の高い問題や感情的な配慮が必要な場面では、人間による最終的な判断と調整が重要です。

プログラムスクリプト生成

ChatGPTでプログラムを作成することで、プログラミング経験が少ない担当者でも簡単なスクリプトやコードを生成でき、データ処理の自動化やレポート生成などの業務を効率化できます。

エラー処理や最適化についてもアドバイスを受けられるため、後々の保守や改修も容易です。

▪️入出力例

入力内容要件に沿ったプログラムの作成依頼
出力内容コードや概要、動作説明の出力

ただし、AIは間違えることもあるため、個人で使うプログラム以外は、専門家によるチェックが必須と言えるでしょう。

議事録の作成

ChatGPTを使用することで、音声録音の文字起こしデータや会議中のメモを元に、構造化された読みやすい議事録を効率的に作成できます。

目的や形式を事前に指定するような、適切なプロンプトを使用することが成功のポイントです。

▪️入出力例

入力内容メモ書きから議事録を作成するように依頼
出力内容要点を整理した議事録の出力

より詳しい議事録作成の手法やポイントについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、ご参照ください。

参考記事:ChatGPTで議事録作成を効率化!やり方・目的別のプロンプト例も紹介

リーガルチェック補助

ChatGPTでは、契約書や規約について、一般的な契約条項の確認やリスク要因の指摘、改善提案などリーガルチェックの補助をすることができます。

業界標準的な契約条項の提案や、過去の類似事例との比較も可能で、契約交渉の準備段階での情報収集に役立ちます。

▪️入出力例

入力内容契約書のリーガルチェックを依頼
出力内容概要と問題点、改善提案を出力

ただし、最終的な法的判断は必ず専門家が行う必要があり、ChatGPTの指摘は参考情報として活用することが重要です。

社内FAQボット

ChatGPTで社内FAQボットを構築することで、人事制度、情報システム・IT関連、業務手順などの社員からの定型的な質問に自動で回答でき、担当部署の負担を大幅に軽減できます。

▪️入出力例

入力内容回答例を提示し社内FAQ対応を依頼
出力内容利用者の質問に対して、端的な回答を出力

これにはRAG(Retrieval-Augmented Generation)という機能が必要です。通常ChatGPTは学習したデータからの一般的な回答しかできません。

ですが、RAGを活用することで、ChatGPTは社内文書やマニュアルなどの独自データを参照して回答を生成することができるようになるため、社内の最新情報に基づいた正確な回答を得られるようになります。

RAGについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、ご参照ください。

参考記事:RAGとは?ChatGPTで社内データを活用する方法・注意点を解説

ここまで紹介した各利用例内にある入力例は、法人向け対話型生成AIツール「ナレフルチャット」のプロンプト作成サポート機能を用いて作成しました。

適切なプロンプトを用いることが、ChatGPTを活用する上で非常に重要です。

ナレフルチャットについての詳細は、以下リンク先をご参照ください。

ChatGPTを社内利用する際の注意点

ChatGPTの社内利用には多くの使用用途・メリットがある一方で、適切な運用のために注意すべき点も存在します。特にセキュリティ面と出力品質の管理は重要な課題です。

ここでは、ChatGPTを社内利用する際の注意点を解説します。

出力内容のチェックを怠らない

ChatGPTには時として、事実と異なる情報を生成するハルシネーション(幻覚)という現象が発生します。存在しない事実や誤った情報を「それらしく」生成してしまい、結果として嘘を本当のことのように出力してしまうのです。

特に具体的な数値データ、人名、企業情報、法的要件などについては、ハルシネーションが発生しやすい傾向があります。そのため、ChatGPTの出力内容は必ず人間による最終チェックを実施し、重要な情報については他の信頼できる情報源との照合を行うことが必須です。

チェック体制を整備する際は、出力内容の種類に応じて確認する担当を設定したり、複数人でのダブルチェックを実施したりすることを推奨します。

機密情報の入力は避ける

ChatGPTに入力されたデータは学習に使用される可能性があるため、機密情報や個人情報の入力は厳格に規制する必要があります。顧客情報、事業計画、未発表の商品情報、個人の連絡先など、外部に漏洩してはならない情報は決して入力してはいけません。

学習されてしまったデータは、第三者にもれてしまう可能性があります。AIを社内利用する際には、ガイドラインの制定や事前許可制の導入、社員のAIリテラシー向上など、防止策を練ることが重要です。

セキュリティを重視する企業には、クローズド環境でセキュアな環境を実現するナレフルチャットがおすすめです。

ナレフルチャットでは企業で使用できるレベルのセキュリティ対策を施しており、入力データが学習に利用されない仕組みや通信の暗号化、データの安全な保存など、万全の体制でリスク対策をしながら安心して生成AIを活用できます

ナレフルチャットについては以下で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

ChatGPTの社内利用を促進する2つのプラン

ChatGPTの本格的な社内展開には、適切なプラン選択が重要です。OpenAIはビジネス向けに、主に2つのプランを提供しています。

ChatGPT Teamプランは小中規模企業や部門単位での導入に適したプランです。月額1ユーザーあたり30ドル(約4,500円)で利用でき、年払いを選択すると25ドル/月まで費用を抑えることができます。チームワークスペース共有、高性能モデルの利用、優先的なサポートも提供されるのが特徴です。

ChatGPT Enterpriseプランは大企業や全社導入向けの最上位プランです。価格は非公開で問い合わせ必須となりますが、参考情報として60〜100ドル以上/ユーザー/月の事例があります。高度なセキュリティ保証、詳細な利用分析、業務データが学習に利用されない保証など、企業で利用するには安心な機能がそろっているのが特徴です。

プラン名月額料金(USD)主な特徴
ChatGPT Team$30/ユーザー(月払い)
$25/ユーザー(年払い)
チーム共有、高性能モデル利用、優先サポート
ChatGPT Enterprise非公開(カスタム見積)高度なセキュリティ、利用分析、学習利用なし保証、アクセス制御

より詳しいChatGPT Enterpriseの機能については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ご参照ください。

参考記事:ChatGPT Enterpriseとは?他プランとの違い・導入時の注意点を解説

ChatGPTを社内浸透させるための取り組み

適切なプランを導入しても、社員全員が積極的に活用するとは限りません。総務省の「令和6年版情報通信白書」によると、日本における生成AIの利用経験は「使ったことがある」が9.1%と、他の先進国と比較して低いです。

参照:「令和6年版情報通信白書」総務省

日本で生成AIの利用経験が低い理由として「使い方が分からない」「自分の生活には必要がない」といった理由が上位となっており、生成AIへの理解度の不足が浮き彫りになっています。

参照:「令和6年版情報通信白書」総務省

効果的な社内浸透を実現するためには、社員全員のAIリテラシー向上が不可欠です。技術的な理解だけでなく、実際の業務でどのように活用できるかを具体的に理解してもらうことが重要になります。

以下では、AIリテラシー向上を促進する取り組み例を紹介します。

学習コンテンツを充実させる

社員にスキルを身に着けさせ、ChatGPTを実際の業務に活かせるような人材とすることで社内浸透は進みます。最も一般的な施策は、ChatGPTの使い方をゼロから体系的に学べるような社内研修・eラーニングコンテンツを整備することです。

また、定期的にワークショップなどを行うことで、インプットだけでなくアウトプットする機会を提供することも効果的です。外部の専門講師を招いた研修や、他社の成功事例を共有するセミナーなども、追加で検討する価値はあるでしょう。

プロンプトテンプレートを用意する

ChatGPTから業務に活かせる効果的な出力を得るためには、適切なプロンプトが必要です。効果的なプロンプトの作成は慣れが必要ですが、部門別・業務別のテンプレートを用意することで、初心者でも高品質な出力を得られます

テンプレートには使用場面の説明、入力例、期待される出力例を含めることで、利用者の理解を促進することができるでしょう。また、テンプレートの改善案を社内で募集し、継続的にブラッシュアップしていく仕組みも重要です。

成功事例を共有する

実際にChatGPTを活用して業務効率化を実現した事例を社内で積極的に共有することで、利用拡大のきっかけを作ることができます。具体的な効果(時間短縮量、品質向上、コスト削減など)を数値化して示すことが、他の社員の関心を引くのに効果的です。

そのためには、社内報やイントラネット、定例会議などを通じて、定期的に成功事例を紹介する仕組みを構築しましょう。事例紹介の際は、使用したプロンプト、工夫したポイント、得られた結果を具体的に説明することで、他の社員が真似しやすくなるためおすすめです。

ChatGPTを社内浸透させるならナレフルチャット

ナレフルチャットは企業で求められるセキュリティレベルを完備したクローズド環境でセキュアに利用できる法人向け生成AIチャットツールです。

ChatGPT、Claude、Gemini、Perplexityなど特徴の異なるAIを1つのプラットフォームで目的に応じて使い分けることができ、企業での実用性を重視した独自機能を多数搭載しています。

また、何人の社員が利用しても月額4万円という価格設定で、企業の生成AI導入を強力にサポートします。

詳しくは、こちらで紹介していますので、ぜひご参照ください。

プロンプト自動生成・自動改善

ナレフルチャットでは利用者の意図をAIが理解し、最適なプロンプトを自動生成・改善できる、特許取得済みの機能を搭載しています。

この機能により、AI利用経験が浅かったり、詳しい知識がなかったりする社員でも専門家レベルの出力を得ることが可能になります。

また、思い通りの応答が得られない場合はAIによる自動改善も可能です。

従来のChatGPTでは試行錯誤が必要だったプロンプト作成が大幅に簡略化されるため、導入初期からすぐに効果を実感できるでしょう。

生成AIの活用ノウハウを共有できるプロンプトタイムライン

ナレフルチャットでは、プロンプト評価・共有機能により、高評価のプロンプトがタイムラインに投稿され、組織全体でAI活用のノウハウを効率的に共有・蓄積できます。こちらも特許取得済みです。成功したプロンプトを他の社員が参考にしたり、改善提案を受けたりすることで、組織全体のAI活用レベルを向上させることができます。

タイムライン機能は社内SNSのような感覚で利用でき、部門を超えたナレッジ共有により思わぬ活用アイデアが生まれることも多いです。

AIリテラシー向上支援のための充実したコンテンツ

ナレフルチャットでは、AIツールだけでなく、初心者でも分かりやすいように動画でわかる生成AI入門オリジナルコンテンツを提供しています。他にも、社員が実践的な生成AI活用法を学べる公式動画が充実しており、コンテンツファイル参照・添付・保存の方法、出力形式の指定と効果的な資料作成、スライド・実践的な資料の組み立て方などを体系的に学習できます。

生成AI初心者でも基礎からプロンプトエンジニアリングまで学べるため、AIに抵抗を持つ社員にも利用してもらいやすく、全社的なAIリテラシー向上を効率的に進められます。

社内データ活用を促進するRAG機能

ナレフルチャットには、社内規定や各種マニュアルなどの組織固有の文書・データをAIに読み込ませることで、それらのデータに関連する質問にも回答させられるRAG機能を搭載しています。PDFやWordなどのファイルをそのままアップロードするだけで準備が完了するのが大きな特徴です。

また、『RAGリンク』機能により、作成したRAGボットごとに専用チャットページのURLを発行でき、リンクを送るだけで全社・チームに向けて共有できます。よくある問い合わせなどをAIに任せることでメイン業務に集中でき、URLにアクセスするだけで悩みを解決できるため、AIを意識せずに利用可能です。

生成AIの社内導入をお考えの企業様は、ぜひナレフルチャットを選択肢の一つとしてご検討ください。

アバター画像

ナレフルチャット運営チーム

法人向けクローズド生成AIチャットサービス「ナレフルチャット」の企画・開発・運用を手がけています。
プロンプト自動生成・改善機能や組織内でのノウハウ共有機能など、独自技術の開発により企業の生成AI活用を支援しています。

「AIって難しそう...」という心の壁を、「AIって面白そう!」という驚きで乗り越えていただけるように
日々刻々と変化する生成AI業界の最新動向を追い続け、魅力的な記事をお届けしていきます。

Page Top