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生成AIコラム

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うさぎでもわかるバイブコーディングとは? 業務活用事例とゲーム制作で学ぶ始め方

はじめに

「バイブコーディング」という言葉、SNSやニュースで見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。「AIにお願いするだけでアプリが作れる」という触れ込みで話題になった開発スタイルです。

この記事では、バイブコーディングの意味と由来、業務での活用事例、そして実際にブラウザゲームを1本作りきるまでの対話を全部お見せします。あわせて、2026年に入って提唱者自身が語っている最新の動きにも触れていきます。

先に要点をまとめておきます。

  • バイブコーディングとは、自然言語で作りたいものを伝え、AIにコードを書かせて、人は動作確認とフィードバックに専念する開発スタイル
  • GoogleやMicrosoftでは新規コードの多くがすでにAI生成に置き換わり、非エンジニアの参入も始まっている
  • つまずくのは技術的な難所ではなく「弾が増える」のような言葉の行き違いで、例え話が一番効いた
  • 品質を一段引き上げた決め手は、AIに検証用スクリプトを書かせて数値で裏を取らせたこと
  • 提唱者のKarpathy氏本人は、すでに次の考え方「Agentic Engineering」に移っている
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バイブコーディングとは

まずは言葉の意味から確認します。専門用語は都度かみ砕いて説明していきます。

定義は「対話で作る」こと

バイブコーディングとは、開発者が一行ずつコードを書くのではなく、AIに自然言語で「作りたいもの」を伝え、生成されたコードをその場で動かしながら対話で直していく開発スタイルを指します。

進め方は、次の4ステップの繰り返しです。

  1. 作りたいものを言葉で伝える
  2. AIがコードを生成する
  3. 実際に動かして確認する
  4. 気になる点を言葉で伝えて直してもらう

人間の役割は、コードの細部を書くことから「何を作りたいかを示すこと」と「出来上がったものを確認すること」に移ります。

名付け親はAndrej Karpathy氏

この言葉を作ったのは、AI研究者のAndrej Karpathy氏です。OpenAIの共同創業者の一人であり、Tesla社でAI部門の責任者を務めたこともある人物です。

2025年2月2日、同氏がX(旧Twitter)に投稿した内容がきっかけで一気に広まりました。「vibe」は音楽シーンなどで使われる「雰囲気」「フィーリング」を意味する言葉です。コードの中身を細かく追わず、雰囲気に身を任せてAIとやり取りする感覚を表現したものでした。

反響は大きく、翌月にはMerriam-Webster辞典の「スラングとトレンド」に掲載され、2025年のコリンズ英語辞典では「今年の言葉」にも選ばれています。1つの造語がここまで短期間で辞書入りするのは珍しいと驚いたうさ。

コード補完ツールとは別物です

ここで混同しやすいポイントに触れておきます。「AIにコードを書かせる」だけを見ると、GitHub Copilotのようなコード補完ツールとの違いが分かりにくいかもしれません。

この点について、開発者のSimon Willison氏が明快な線引きをしています。要約すると、生成されたコードを人間が読んで理解し、レビューやテストをした上で採用しているなら、それはバイブコーディングではなく単なるタイピングの補助だという指摘です。

つまりこの言葉が本来指しているのは、中身を細かく検証せず、動けばよしとして先に進むスタイルのことです。この身軽さこそが最大の魅力ですが、同時に、認証や決済のような重要な処理を任せきりにはできない理由でもあります。

なぜ今バイブコーディングが注目されているのか

個人の趣味の話ではありません。世界最大級の開発現場で、すでに起きている変化です。

大手テック企業のコードは、すでに大半がAI製です

まず驚かされるのが、GoogleとMicrosoftが公表している数字です。

企業発言者内容
GoogleSundar Pichai CEO新規コードの75%がAI生成。2024年初頭は25%、2025年後半は50%で、2年間で3倍に
MicrosoftSatya Nadella CEO社内リポジトリのコードの20%から30%がソフトウェアによって書かれている

Googleの数字は2026年4月に公表されたもので、エンジニアの役割は自らコードを書くことから「システムを組み立てて指揮すること」へ移りつつあると説明されています(DevOps.com)。

Microsoftの数字は2025年4月、Meta社のLlamaConでNadella氏が語ったものです。言語による差が大きく、Pythonでは進んでいる一方、C++では進みが遅いという補足も付いています(TechCrunch)。

スタートアップでは「ほぼ全部AI」も珍しくありません

もっと極端なのがスタートアップの現場です。

Y Combinatorのマネージングパートナーである Jared Friedman 氏によると、2025年冬バッチ(W25)に参加したスタートアップの約4分の1が、コードベースの95%以上をAIに生成させていたとのことです(TechCrunch)。

ここで大事なのは、同氏が付け加えた一言です。

技術力のない創業者に投資したわけではない

彼らは自力でゼロから作れる高い技術力を持っています。1年前なら自分で書いていた。それでも今は95%をAIに任せている、という話です。技術力があるからこそ任せられるという構図が見えてきます。

同時に、YCのCEOであるGarry Tan氏は釘も刺しています。大規模なユーザーを抱える製品を長期的に安定させるには、従来型のコーディングの訓練が欠かせないという指摘です。推論モデルのデバッグ能力にはまだ限界があるため、創業者が製品の中身を深く理解している必要がある、という理由でした。

非エンジニアの参入も始まっています

作り手の裾野も広がっています。

調査会社IDCは、2028年までに開発未経験の従業員のうち20%が、自分でAIエージェントのワークフローを組み立てて働き方を変え、作業サイクルを40%短縮すると予測しています。

その受け皿となるツールも急成長しています。中国の知乎(Zhihu)に掲載された解説記事によると、2025年12月時点でスウェーデン発のAI開発ツール「Lovable」はアクティブユーザー数800万人に達し、年換算の売上は1億ドルを超えたとされています。

また2026年1月には、中国のByteDance(字節跳動)社がAIエージェント開発プラットフォーム「扣子(Coze)」をバージョン2.0に刷新しました。開発環境そのものを「Vibe Coding」向けに作り変えたと紹介されています(知乎「Vibe Coding完全指南」)。

日本語圏でも、ブラウザだけで動く「Bolt.new」を使い、マーケティング担当者がクライアント管理アプリを3時間ほどで作った事例が報告されています。通常なら50万円から100万円ほど、2〜4週間かかる規模の作業だったとのことです(生成AI総合研究所)。

共通しているのは、アイデアから動くものまでの距離が、あらゆる層で一気に縮まっているという点です。

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実際に作ってみた 対話7往復の全記録

ここからが本題です。理屈を並べるより、作った過程をそのままお見せします。失敗も含めて全部公開します。

完成したもの

「タンクコマンダー」という、戦車でミサイルを撃つブラウザゲームです。

このゲームの肝は、空中に浮かぶ「増殖ゲート」です。飛んでいるミサイルがゲートを通過すると、ミサイルそのものが分裂して増えます。ゲートを連鎖させると1発が数十発の弾幕になり、敵の基地に降り注ぎます。

ゲートを通ってミサイルが27発に増殖した瞬間

画像 今回バイブコーディングで作成したゲームの実行画面

実際に遊んでみる

インストールも登録も不要です。先に少し触っておくと、このあとの話が分かりやすいと思います。

最終的な仕様は次のとおりです。

項目内容
実装形態HTML1ファイル(約950行、ライブラリ不使用)
ステージ数全6ステージ(難易度が段階的に上昇)
ゲート種類6種類(増殖2種、威力、貫通、誘導、反射)
演出爆発パーティクル、画面シェイク、効果音の自動合成
対話回数7往復

ダブルクリックすれば動く1ファイル構成にしたのは、環境構築でつまずく余地をなくしたかったためです。

環境作り

バイブコーディングを試すツールは、大きく2種類に分かれます。

タイプ代表的なツール向いている方特徴
ブラウザ完結型Bolt.new、Replit、Lovableプログラミング未経験の方インストール不要でブラウザだけで完結、公開までワンクリック
エディタ型Cursor、Claude Codeある程度コードに触れたことがある方既存プロジェクトへの組み込みに強く、細かい制御がしやすい

今回はエディタ型のClaude Codeを使いました。ただ、はじめて挑戦するのであればブラウザ完結型をおすすめします。

最初はエディタ型の方がコードの中身を理解できて良いのではと考えていました。しかし実際に試すと、1本目はブラウザ完結型から入った方がAIとの対話そのものに集中できました。この方が挫折しにくいと感じたうさよ🐰

対話の全記録

実際に投げた指示と、返ってきた結果を時系列で並べます。

第1手 とにかく動くものを出す

最初のプロンプトは、細かい仕様を書かずに雰囲気だけ伝えました。

アングリーバードみたいなゲームを作ってほしい。
爽快感を味わえる内容で。

たったこれだけで、スリングショットで鳥を飛ばして豚と木箱を破壊する、遊べるゲームが1回で出てきました。物理演算も爆発演出も込みです。仕様書を書く前に動くものが手に入るのが、この手法の一番の魅力だと思います。

第2手 テーマを丸ごと変える

遊んでみて、もっと派手にしたくなったので方向転換しました。

テーマは戦車でミサイルとか弾道を打つテーマに。
空中に×10とか+20みたいなエリアがあって、
弾が増えるギミックも入れてほしい。

全面的な作り直しになりましたが、AIは嫌な顔ひとつせず戦車ゲームに書き換えてくれます。従来なら「せっかく作ったのに」となる場面です。作り直すコストがほぼゼロなので、気軽に方向転換できるのが強みでした。

第3手 言葉の行き違いを直す

ところが、出てきたものが想像と違いました。「弾が増える」を、AIは「手持ちの残弾が増える」と解釈していたのです。うさぎが意図していたのは「飛行中のミサイルそのものが分裂する」でした。

増えるのは現在進行系の撃っているミサイル自体です。
イメージとしては増えるピンポンボームみたいなイメージです。

この一文で完全に伝わりました。詳しく説明するより、既存のものに例える方が早いという典型例です。

第4手 難易度カーブを作る

遊びとして成立させるため、段階的な難易度を依頼しました。

難易度調整とステージ作成。
爽快感を味わえつつ、ステージ序盤は簡単にクリアできる面、
進むに連れ徐々に難しくなる。

全6ステージ、残弾数とゲートの大きさが少しずつ厳しくなる構成になりました。

第5手 ギミックを増やす

ゲートの種類も増やしてほしい。反射とか威力増加とか。
ステージに応じて最適なゲートを設置。

結果として6種類のゲートに増えました。

ゲート効果初登場
×N 増殖ミサイルがN発に分裂ステージ1
+N 増殖ミサイルがN発追加ステージ1
⚡ 威力アップ1発あたりのダメージが増加ステージ3
⇄ 反射板弾道を反射して真下に叩き落とすステージ4
➤ 貫通敵を貫通して次の敵も攻撃ステージ5
◎ 誘導最も近い敵に自動で向かうステージ6

面白いのは、ゲートを通した順番で効果が重なる点です。威力アップを取ってから増殖させると、強化された弾が大量に増えます。この組み合わせの妙は指示していません。AI側の提案が効いた場面でした。

6種類のゲートを連鎖させて68発に増殖したステージ6

画像 全ゲートを繋いだ最終ステージの実行画面

第6手 ここが最大の分かれ目

一通り形になったところで、遊んでみて重大な問題に気づきました。ゲートは空中に浮かんでいるのに、敵は地上に並んでいるだけで、両者の位置に何の関係もなかったのです。これでは弾を増やしても敵に当たらず、爽快感がありません。

敵がゲートの延長線上に配置しないと
爽快感を味わえながらクリアできないよね。

この指摘を受けたAIが取った行動が、今回一番の発見でした。ゲーム本体と同じ物理演算を再現する検証用スクリプトを別途書き、どの角度で撃つとどこを通るかを計算したうえで、ゲートと敵の座標を全ステージ分ひき直したのです。

目分量で置いていた座標が、計算で裏付けられた座標に変わった瞬間、手応えがはっきり変わりました。「なんとなく動く」から「狙って決められる」への変化です。感覚で置いた数値は、AIに検算させると精度がはっきり上がるという学びでした。

第7手 操作感を詰める

最後に操作を作り込みました。

発射の強弱も入れてほしい。アングリーバードみたいに。

押している間に引っ張り量でパワーが決まり、離すと発射という方式になりました。パワーゲージや、砲身が後ろに引かれる演出も付いてきました。

7往復を振り返って一番印象的だったのは、詰まった原因がAIの性能ではなく、自分の伝え方や気づきの遅れだったという点だと感じるうさ。

2026年最新動向 提唱者は次のステージへ

ここまでバイブコーディングを実践してきましたが、実はこの言葉の生みの親であるKarpathy氏自身が、2026年に入って次の考え方に移っています。

「もう古い」という発言

2026年に入り、Karpathy氏はバイブコーディングという考え方はすでに時代に合わなくなってきていると述べています。

転換点として挙げているのは2025年12月ごろです。この時期に、自身が書くコードの8割がAIエージェントによる生成に切り替わったと振り返っています。これは単に量が増えたという話ではありません。エージェントが出すコードの塊が十分に大きく、筋の通ったものになったのがこの時期でした。その結果、開発者が向き合う課題は「エージェントに任せられるかどうか」から「大量の出力をどう検証するか」へ移った、という質的な変化だと説明されています(StartupHub.aiThe New Stack)。

Agentic Engineeringとは

後継として提唱されているのが「Agentic Engineering(エージェント工学)」です。ここでいうエージェントとは、指示を受けて自律的に作業を進めるAIの仕組みを指します。

両者の違いは、AIの出力に対する姿勢にあります。

観点バイブコーディングAgentic Engineering
前提出力をおおむね受け入れて先に進むエージェントは間違うものとして扱う
人の役割動作確認とフィードバック設計、指示、監査
向いている場面まず動くものを作る段階品質を担保して届ける段階

人がコードを一行ずつ書く役割から離れる点は同じです。しかし確認と監督の役割は、むしろ強まる方向に変化しています。

Software 1.0から3.0への流れ

Karpathy氏はこの変化を、以前から提唱してきた枠組みの延長として説明しています。

  • Software 1.0 人間が明示的にコードを書く
  • Software 2.0 ニューラルネットワークの学習によってふるまいが決まる
  • Software 3.0 プロンプトによってAIをその場で動かす

人間が価値を発揮する場所が、タイピングの速さから、何を作るべきかという判断力と、できあがったものを見極める目利き力へ移っていく、という見立てです。

今回の制作を振り返ると

この整理を踏まえて4章を読み返すと、うさぎの作業は途中で性質が変わっていたことに気づきます。

第1手から第5手までは、出てきたものを受け入れて次に進む、まさにバイブコーディングでした。ところが第6手では、出力をそのまま受け入れず、検証用スクリプトで数値を確かめ、その結果をステージデータに反映しました。AIの出力を疑い、人が設計と監査に回ったという意味で、Agentic Engineering的な進め方そのものです。

そして品質が明確に変わったのは、まさにこの切り替えをした瞬間でした。動くものを作る段階では前者が速く、遊びとして成立させる段階では後者が要る、という体感です。

まとめ

  • バイブコーディングとは、自然言語でAIに指示を出し、生成されたコードを確認しながら対話で改善していく開発スタイル。名付け親は2025年2月のAndrej Karpathy氏
  • Googleは新規コードの75%、Microsoftは20%から30%がAI生成。Y Combinatorの2025年冬バッチでは約4分の1がコードの95%以上をAIに任せていた
  • 実際に試すと、対話7往復で全6ステージのゲームが完成した
  • つまずいたのは技術的な難所ではなく「弾が増える」のような言葉の行き違いで、例え話が一番効いた
  • 感覚で置いた数値は、AIに検算させると精度がはっきり変わる
  • 提唱者のKarpathy氏自身は、2026年に入り後継の「Agentic Engineering」を提唱している

AIに任せきる場面と、こちらが数値で裏を取る場面。この切り替えができるかどうかで、成果物の質がはっきり変わりました。最初から完璧に使い分ける必要はありません。まずは動くものを作ってみて、物足りなさを感じたところで一歩踏み込む。その繰り返しで十分だとうさぎは思っているうさよ🐰

今回作ったゲームはこちらで遊べます。小さなゲーム作りからでかまいませんので、ぜひ試してみてください。

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https://x.com/taku_sid
AIエージェントマネジメント事務所「r488it」を創立し、うさぎエージェントをはじめとする新世代のタレントマネジメント事業を展開。AI技術とクリエイティブ表現の新たな可能性を探求しながら、次世代のエンターテインメント産業の構築に取り組んでいます。
ブログでは一つのテーマから多角的な視点を展開し、読者に新しい発見と気づきを提供するアプローチで、テックブログやコンテンツ制作に取り組んでいます。「知りたい」という人間の本能的な衝動を大切にし、技術の進歩を身近で親しみやすいものとして伝えることをミッションとしています。

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